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ワイルドハーブの砂浜

右手に果てしなく広がるのは湿地なのか湖なのか曠野なのか。 左手に細々と伸びるのは剥き出しの心許ない鉄路、 鉄路に沿ってどこまでも続く海岸線、 視野のほとんどを占める空。 冬に来たらどんなにか荒涼として寂しい風景でしょう。

でも夏の終わりの金色の光が野にも道にも降り注いで 行く手の綺麗な青い空に軽く掃いた白い雲が からんとして晴々と地の果てに待っています。

地の果てを目指して。 網走から知床の岬に向けて、 前にも後ろにも誰もいない道を借り物の車は走ります。

もう盛りは過ぎたけれど、夏の間だけ開いている 原生花園の駅はちょっと賑やかです。

仲良く海岸を並んで走っていた線路が 素っ気無くずっと南の美しい湖の方角へ去り、 右手の地平に山々がむくむくと現れて 曠野が畑になって少し人家の気配のあるあたり、 吹き晒された古板に手書きの「海水浴場」の文字が。 夏草の生い茂る広場に車を放って ざくざくざくと浜辺に向かいます。

高い砂丘を乗り越えると 急な傾斜の砂の上に濃い緑の帯がずうっと伸びています。 さいはての海浜植物群は一面ごく淡い ピンク色の花に覆われています。

Acillea millefolium?
ギリシアの英雄アキレスの傷を癒したと言われるハーブ? 真直ぐな茎の先に散房状に平たくびっしりと咲く 愛らしい花は花壇でもおなじみです。 (あとで調べてみたら、「エゾノコギリソウ」という そのまんまの名前の野生種がありました) ピンク色の斜面の下はオホーツク海。

海はもうそこから暗い程の紺色をしています。 際立って白い波が静かに寄せます。 子供達が数人水遊びをしています。 サンダルを脱いで波を受けます。 思った程水は冷たくありません。

このからんと空虚な空のしたの 重たい青い水の中には ずっしりと海の富が溢れています。

浜辺の右手には青い山々が 投げ出した腕の様に弓なりに連なっています。

あれが知床半島。 壮麗な滝と湖と原生林を抱いた東のはての地。 これからあそこに行くのです。(ナルシア)

さいはての鉄路

「さいはての鉄路」
北海道 網釧線

右手の電信柱に沿って真直ぐな道路
その向うは曠野。
右手の砂丘を超えると
その向うは紺色のオホーツク海。

photo by ナルシア

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