byお天気猫や HOME:お天気猫や || 山猫旅行社TOP ||

萩から津和野へ

もう数年前の夏のことになるが、車で山口へ旅をした。

古い城下町・萩ではお屋敷町の一隅で売られていた エンゼル・トランペットという名のダチュラこと オレンジ色の有毒植物の群に感慨を受け、 大きな石を積んだ武家屋敷の連なる風情と 神として奉られているカリスマ・吉田松蔭に長州の底力を思った。 太平洋側の城下町、土佐には坂本竜馬の神社なぞはない。 ヒーローではあるが、神ではないのだ。 遺骸も遺品の大半も京都にあるとはいえ、 竜馬は生地で神にはならなかったのだ。 まあ、それは措くとして。

萩を出た我々は、つねにセットで語られる町、津和野へと 向かった。この距離は意外に遠い。 道々、さすが山口は政治家が偉いから 道が広いねと感心したりする。 なんとなく同じ山口県にあると錯覚していたが、 津和野は鳥取であった。

ほんとうに山のなかにそこだけ灯りが 灯ったような古い小さな町。 錦鯉はたしかに小川で群れていた。 安野光雅の生地で、近々美術館ができるということを 訪れたみやげもの店で聞いたが、もうできたのだろうか。 その店で、氏の「わが谷は緑なりき」という本を買ってきた。 タイトルばかりながめて未だ読んでいない。 「わが谷」は、津和野のことと思うが。

ついでに、なぜかその店の親族に 自分の知り合いがいたり、嫁ぎ先が当地だったりと 奇縁もあったりした。

郊外に森鴎外の資料館もあったのだが、 エントランスまで行きながら中を見ずに 帰ってしまった。きれいすぎたせいかも知れない。

対岸にふと目をやると、太鼓谷稲荷神社という 人好きのする名前の神社が山の中腹に鳥居を伸ばしている。 我々はそこに登った。 ちょうど太鼓をたたいて何かの祈祷をしていて、 神域とはいえ、楽しい思いがした。 連れが、帰りの土産物屋でコレクションアイテムにしている眠り猫を 入手したことも記憶に新しい。

なんだか珍しく旅行記風である。(マーズ;000619)

お天気猫やバナー