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オ ペ ラ ハ ウ ス の 雪

クリスマスにオペラに行きました。
演目は寒い真冬に似合いの、プッチーニの「ラ・ボエーム」。 リンカーンセンターの中央に立つツリーは、 ハープやサキソフォンや八分音符やト音記号の形をして 可愛らしく光る飾りに包まれて、 折からの粉雪の中に立っています。 シャガール描く巨大な天使の絵を両翼に見上げながら、 メトロポリタンオペラハウスへ。

第一幕。
パリの街を見下ろす屋根裏部屋。 連れに「どんな話?」と尋ねられたので、 「パリの若者達のトレンディードラマ」と説明しました。 主人公は火の気の無い部屋の中で偶然触れた娘の指が、 「氷の様に冷たい」と歌います。

第二幕。
幕が上がると同時に起るどよめき。 これぞメトロポリタンオペラが世界に誇る舞台芸術。 カルチェ・ラタンの町並みと雑踏が、 そっくりまるまる舞台の上に載せられています。 人々が行き交い、若者達がはしゃぎ、 大騒動を起こして物売りが来て楽団が通って子供達が走って、 大喧噪の中に幕。

第三幕。
幕があがると息を飲む声があちらこちらから。 舞台の上は一面の雪。 郊外の果てしなく続く雪の道が、本当に舞台の遥か彼方、 この劇場を突き抜けてずっと奥まで広がっているように 見える白く静かな光景です。 ここで別れの場面が繰り広げられます。

第四幕は第一幕と同じ屋根裏部屋で、 可憐なヒロインは恋人の元に戻り、 友人達の心の籠った看護を受けながら息を引き取ります。

あちらこちらで小さく「ミミの歌」を口ずさむ、 重いコートに身を包んだ人々の波に乗って、 外に吸い出されます。

表に出ると、オレンジ色の灯が立ち並ぶニューヨークの街は、 いつのまにか第三幕のパリ郊外と同じく 一面に雪に覆われていました。(ナルシア)

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