byお天気猫や HOME:お天気猫や || 山猫旅行社TOP ||

純 白 の 砂

純白の砂浜を御覧になった事がありますか。
「青松白砂」といった形容的なものではない、一面混じり気の無い純粋な 食塩を敷き詰めたような砂浜を。 手に取ると角張って透き通った砂粒は本物の塩の結晶のように見えるのに、 水につけても溶けずに手のひらを流れていく。 昼間はあまりに眩しすぎて目を開けてはいられない、夕闇の中ではほのかに 光を発して見える、光る白い砂浜を。

フロリダというと米大陸の右下にちょん、と突き出した半島だと言う事は みなさん御存じでしょう。けれど実際にはフロリダ州は半島プラスちょっぴり 左に伸びています。そのちょっぴりは、メキシコ湾に面した部分、なんと アラバマ州の南端のほとんどと、ジョージア州の南端全部、普通に線を 引いたら当然貰えそうなメキシコ湾岸が、そっくり横合いから伸びたフロリダ 州のものになっているのです。

アトランタオリンピックのビーチバレーを御覧になった方は?あの会場は 大西洋に面した茶色の砂浜でしたが、ジョージア州の南にはそれは美しい 純白の砂浜があったにもかかわらず、それはジョージアのものではなかった のです。他人事ながら、惜しいと思いました。

アラバマの街からまっすぐまっすぐ、なだらかな山をひたすら乗り越え南に 向かうとメキシコ湾、フロリダの西のはずれに辿り着きます。 私達が北フロリダに遊びに行くのはいつもヴァケイションのお客が居なく なって町ががらんとしてきた秋。なにせ宿泊施設が半額になっている のです。フロリダといえどここまで北だと冬は寒いですが、秋なら十月でも 充分泳げます。

「自分の責任で泳げ!」とつきはなした警告板の横に車を停めて、人の 少ない浜に降りて行きます。 ふかふかに乾いた砂を踏むと、「キュッキュ」どころか「ボコッボコッ」と 景気の良い音をたてます。浜が汚れていないので砂の粒子が鳴るのです。 波打ち際に転がって本を読んでいると、とととととと走って来た千鳥がひょっと 私の上は飛び越えて、また少し先からととととと・・と駆けて行きます。 陸地の側に出来た砂丘は臨海植物に覆われて、ツワブキに似た黄色い花が 一面に咲き乱れています。 海は浅い緑色。メキシコ湾北岸です。

湾岸沿いにはずっと小さな町がとびとびに並んでいます。 海軍基地があって、ぴかぴかの戦闘機を数限り無く展示した博物館のある ペンサコーラ、ちょっと高級感のあるデスティン、町というほどでもない砂浜と 宿だけの集落、いずれも秋には人気が少なく淋しくなります。

それでも、あれはいかにも海水浴の町といった風情の──フォート・ウォルトン だったか──の、海に突き出した長い展望桟橋では、大勢の人が潮風に 吹かれながら釣りを楽しんでいました。

そして緑色の海の中から青い空の中にくっきりと、イルカが三匹並んで ジャンプしていくのが見えました。(ナルシア)

お天気猫やバナー