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き つ ね の 温 泉

〜 真夏の夜のクーラー騒動 〜

山口の某温泉街、マスコットは白いきつねだ。 真夏8月にここを訪れた我々は非情な体験に泣いた。

着いてみると思ったより小さい宿で、「くわしくは案内を読んで下さい」 と言われる。 まずお風呂。温泉を引いている浴場があるのでさっそく行ってみることに。 部屋の案内書によると、徹底したコストダウンによるリーズナブルな 宿泊料がこの公共の宿のウリらしく、 タオルは150円で買わねばならない。歯磨き類ももちろん有料。 これもあんまりだが、まあ許せる。世知辛い世の中、コストダウンは必定だから。 それに、安いのだし。安い理由をそれから我々はじわじわと学んでゆく。

一般のお客さんがいっぱいの銭湯のようなお風呂に 入ってはっと気付いたのが、石けんもシャンプーも用意されてないこと。 廊下に出れば売っているのだろうが、また服を着て外に出るのもばからしい。 シャワーも2ヶ所しかなくてすでに他の人が使っている。 結局、一人が持っていた洗顔用のクレンジング液を泡立てて使い、 髪も何とか洗い、外の店で買って来たバスタオルで体を拭く。 何かみじめ。 後から聞いたところでは、石けんはにぎりつぶしたようなものが 風呂のはしっこに少し残っていたらしい。でも見えなかったから無いと同じだ。

そして食堂での晩御飯。 我々は食事にうるさい方ではないので、内容には文句は言わない。 給仕の女性が冷たいお茶をどうぞ、と持って来てくれた煌(ファン)のボトル。 途中で見ると底に葉が沈んでいる。色をうまく合わせているが、 中味は自家製のお茶だった。まあ、これは微笑ましくて良い。

夜の11時に、ふっとクーラーの音が止んだ。 スイッチを押すが反応無し。元を切られたのである。 窓を開けに走る。外も暑いが中も蒸し暑い。 8月の熱帯夜なのだ。小雨が降り、雷も鳴っている。 ふとんは夏なのに厚く、じっとりと重く湿り気を帯びている。 眠ることができる状態ではない。一人は自律神経が切れかけている。 一体何がどうなったのか、確認しようにもフロントは無人。 廊下に出てみたが、もともと廊下はクーラー無しだった。 窓から他の涼しそうなホテルを眺めることしきり。 ひどい、あんまりだとわめきながら、それでも何とか明け方を迎える。 朝6時30分、シュルシュルシュル…とクーラーが入る。

明るくなって案内書を読み直した我々は、そこに次のようなことが 堂々と書かれているのを発見し、愕然とした。 「クーラーは夜11:00までです(朝は8時まで。)それ以降の使用は前もって フロントに連絡すること。追加料金一人300円」

本当に商売してコスト削減したいんだったら、この真夏に一声かけて 追加料金取らなくてどうする。900円取り損ねたじゃないか。 セルフサービスという言葉の恐ろしさ、安いということの落し穴。 きつねにつままれたような、初めての山口の一夜だった。

賢い旅行者の皆さん、案内書はよくよく読みましょう。(マーズ)

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