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仕事が終って、やっと自由の身になりました。 3時間くらい、飛行機を乗り継ぎ、半日かけて、 南の国から北の国への大移動。
着いたと同時に会が始まり、一日、ぎゅっと小さくひざをたたんで 椅子に座りっぱなし。 長い二日間でしたが、新発見や考え深い点もあり、 収穫もいろいろで、遠くまでやってきたかいがありました。
さて。 この後は、珍しく、ほとんど計画のない旅です。 私はひとり旅が苦手なので、いつもの旅のような緻密さ、 分刻みのハードさ(笑)はありません。 ところどころにポイントで、 絵を見る、映画を見る(旅行に来てまで…笑)、 細かなことは苦手だから観光バスに乗る、と。
時間に追われていないので、いつになく、空をじっと ながめています。 青い空と、澄んだ清涼な空気。 じりじりと焼きつくすような激しい太陽も、 燃えるように咲くまっ赤な花も見られません。
美術館のテラスで、さわやかな風に吹かれています。 空気もからりとして、風は冷たいくらいです。 この開放感、今の涼やかでさっぱりした心地は、 いつかロンドンの街で感じたものです。 なつかしい思いでテラスから見渡せば、緑もとても元気で 鮮やかな色をしています。
今、「時間」をゆっくりと味わっています。
風と一緒に静かに「時」が訪れ、去ってゆく。
かけ足で歩いた街。 見るもの見るものが珍しく、立ち止まるのが惜しかった「時間」。 走り続けることでしか得られないと思ったもの。 美しい風景や街よりも、今、この一瞬を 私はずっと忘れないと思います。
静かに落ちて行く砂の音をきいているうちに いつのまにか、お皿のサンドウィッチがかわいています。 走り出す前に、立ち止まり、肩越しに振り返って見たもの。 胸に去来するもの。 今度、立ち止まった時、見えるものは何だろうか。
by シィアル;2002/08/05