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ギフト

花は、 思い出の中で鮮やかに咲いています。

夏の燃える花の向こうに、 小学生の頃の、ゆたかな思い出が重なって見えます。 今あの頃の時間を思い出すと、 祖母のモダンさや風貌は、 童話の中に現われる「よい魔法使いのおばあさん」 のようでした。 花が好きで、一年中花を絶やさなかった祖母。 祖母と一緒に押した朝顔の「押し花帳」は、 今でも、子どもの頃の朝顔の色をうっすらと留めています。 色あせない、夏の思い出。

炎天下で燃えるように咲いていた。 夏の花々。 垣根のぐるりに毎年毎年、 背の、高い高い、タチアオイ。 いつも。 タチアオイを見上げると、 夏の青く澄んだ空が、広がっていた。 垣根の角のカンナ。 夏の太陽と競うように、 真っ赤に燃えていた花。 丹精に鉢植えで育てられた、大輪の朝顔。 夕方になれば、垣根中の夕顔が、 真っ白な花を咲かせる。

まるで、思い出の押し花帳のように、 いちばん、楽しかった時間が、 祖母の思い出と、鮮やかな色の花々と一緒に、 褪せることなく、綴じられています。

大人になって、忙しさに押し流されながら、 窓の外の花に目をやれば、 夏の暑さの中、伸びやかに過ごしたゆたかな日々が すぐそこにあります。 思い出の中に咲き続ける花々は、 祖母からのいちばんの贈り物だと、 今さらながらに、しみじみと感謝しています。

by シィアル;2002/07/22

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