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秋の空気は何かと感傷的にさせます。 ふと、車の窓から目をやると、 田んぼのあぜ道に、彼岸花が。 あわただしい、通勤時だというのに、 想いはつらつらと、 子供の頃にさかのぼっていきました。
今思うと、田舎で育った私は、 しみじみと、自然児だったようです。
春には、菜の花畑にれんげの畑。 虫かごいっぱいのアゲハチョウ。 一面の桜吹雪の中を、 目も開けられず歩いていく、春の日。
夏ともなれば、どこからともなく、 カブトムシやクワガタが庭に現れる。 七色の玉虫が飛んできて頭にぶつかり、 足下のハンミョウを踏みつけそうになって驚く。 カミキリムシに髪を切らせてみたり。
秋の虫の声。 窓の外の無数(!)のこおろぎ。 祖母が捕まえたスイッチョン。 運動会のお手玉を作るために、 ジュジュ玉(数珠玉)を集めに川原に行く。
冬は。 満天の空の下、 牡牛座のアンタレスや昴を探した。 祖父を亡くした日の凍てついた冬の星座。 子ども心に、 どんなに悲しいときでも、 美しいものは美しいのだと、 そう、知った。
そして、秋晴れの今日、しゃぼん玉をしました。 小さなめいっ子たちがやってきたので、 一緒に、束の間童心に帰って。 風が強く、しゃぼん玉はどんどんと 高い空に舞い上がっていく。 しゃぼん玉の行方を追おうと、 空を見上げていると、 美しい空の青に、心をうたれました。 悲しみが美しさを際だたせるのだと、 そのことを今は知っています。 たくさんの悲しみに触れながら、 平凡である一日の ささやかで得難い一瞬の美しさを知ったのでした。
きっと、多くの人が、 さまざまな思いを胸に、 空を見あげていることでしょう。
by シィアル;2001/09/17