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■ ファンタジー特集

-- 『ハリー・ポッター』(その3) --

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

二年生の時のお話が「ホラー」なら
三年生の時のお話は‥‥「ミステリー」!

ハリー・ポッターシリーズが大人にも受けるのは 「荒唐無稽な魔法の世界」ではなくて 「一定のルールに則った隣の世界」である事が大きいと思います。 なんでもござれの途方もない話より、規制があるほうが盛り上がるし 長丁場をついていくにも無理がありません。

という訳で魔法でなんでも出来そうなハリー・ポッターの世界、 実際には現実以上に厳しい秩序があります。 学校の規則はもちろんですが、小説としての構造にも。 それはハリーたちが事件の全貌を知るための手掛かりが 必ず伏線として事前に書かれている事、 解決のために使われる魔法は必ずそれまでに 授業で習ったり言及されている事。 それって立派なミステリ! 未来世界のルールの中で事件を解決するアシモフのSFミステリや 特定の超能力を設定してその力を使った 犯人をあてる西澤保彦の超能力パズル、 パラレルワールド内の法則に従って推理する 山口雅也の作品等にタイプとして似ているでしょうか。

という訳で推理ファンとして大いに楽しんだ三作目ですが、 別にミステリ好きではなくてもこの巻は 脱出不可能と言われたアズカバンの刑務所を脱走し ハリーを付け狙っているらしい凶悪な犯罪者、 その元囚人以上にハリーを脅かす不気味なアズカバンの看守達、 風采はあがらないけどとっても面白い授業をしてくれる新任の先生、 あ、それからハーマイオニーの猫やハグリッドの素敵なペットの怪物、など 不思議で魅力的なキャラクターが続々新登場。 早く映画にならないかな!

ナルシア , 2002/04/04(Thursday)

・『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』 著者:J・K・ローリング / 訳:松岡佑子 / 出版社:静山社
・英語版「HARRY POTTER and the Prisoner of Azkaban」/ 出版社:Bloomsbury(日本洋書販売配給)


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