まふゆのすみれ

 友人にもらったスィートヴァイオレットを秋に株分けしてベランダに置いたまま忘れていたら、クリスマスの頃からたくさんの蕾をつけ始めました。暖かい十二月です。それにしても春には早い。咲いたら花がよく見えるように鉢を室内に持ち込みました。そうしたらお正月にはスミレの花がハート型の葉の間から溢れるばかりに咲くは咲くは。俳人正岡子規も友人にもらって「遠国種の菫草(とつくにだねのすみれぐさ)」と愛でたスミレです。なんの工夫もない原種の菫色の、緑に映えてゆかしい事。

  スィートヴァイオレットは和名ニオイスミレ、香水を採るほど香り高いスミレだそうですが、日本で継代を続けると香りが失われるようです。春になればこのあたりの斜面などにも色や姿の異なる野生種の菫がいくつも咲きますが、真の菫の香りを私はまだ知らないのかもしれません。とりあえずは真っ白なホイップクリームの上に散らして可憐な花を楽しむことにしましょう。もちろん食べられますよ。

  冬の空気の中、ベランダの柵から垂れ下がったクリーピング・ローズマリーが水色に近い薄い紫の花をつけています。真夏にも咲いていたのに不思議な花です。その下の大鉢には四季咲きラヴェンダー・デンタータが五十本もの花穂を伸ばしてこれはもちろん淡いラヴェンダー色。その足下の日溜まりに濃い菫色のスィート・ヴァイオレットの素焼き鉢を置いて、紫色のグラディエーションを窓越しに眺めながら本当の春が来るのを待つことにしましょう。外はこれからが寒さの本番。でも暦の上ならもう春ですよね。


 


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