ナスタチウムのお引っ越し  


暑いので、ナスタチウムを引っ越します。

映画「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」最後の最後のシーン、
全ての旅を終えたサムがホビットの村へ帰ってくる場面で、
ロージィと子供達が待つ家を鮮やかに彩っていたのが
ずらりと並んだプランターいっぱいに咲いていた黄色いナスタチウムでした。

ハーブの中でもとびぬけて華やかな花のナスタチウム、
まんまるい緑の葉も銀色の露が転がってきれいです。
金色の花と蓮のような丸い葉から名付けて和名は「金蓮花」。
花も葉もワサビのようなピリッとした風味があって、
若い種もケーパーのように使えます。
観賞用に八重咲きの花や綺麗な斑入りの葉もあります。

コテージハウスの窓辺やキッチンガーデンに必ずありそうな、
英国カントリー風なイメージの花ですが、
私がメキシコの石積みの遺跡を訪れた時、
周辺の低いジャングルの薮を覆っていたのが
目の醒めるようなオレンジ色のつる性の野性のナスタチウムでした。
実際、南米高地ペルー原産の植物で、鮮やかな色の見かけによらず
ナスタチウムは暑さに弱いのです。

うちのナスタチウムは二袋の種から育てて20株以上、
淡いクリーム色から黄色、オレンジ、深紅までの間の
8色くらいを大きな素焼きの壷に植えて玄関に置きました。
園芸品種なので、南米の野生種のようには伸び広がりません。
六月中いっぱい、次から次へとこぼれるように咲き続け、
花茎も地面に届くまで伸びて、ここ数日の暑さでやっと花が止まりました。
花を次々咲かせる決め手は、枯れた葉と花をこまめに摘んで、
乾きぎみに育てて、肥料をやらない事。
呑気に茂っている場合じゃない、種をつくらなきゃ、と頑張って花を咲かせるそうです。

涼風の吹き始めた夕方、蚊取り線香を抱え込んで根を掘り上げます。
蔓なので、地上部がどんなに茂っていても根はそれほど張っていません。
伸びた蔓を切り詰めて、小さなポットに植え代えて、日陰に移動します。
上手に夏越しできれば、秋から霜が降りるまで、
霜の前に室内に取り込めば冬中花が咲き続けます。

うっかり霜にあてたら一回でぺっちゃんこになってしまいますが、
また種から育てればいいのだし。
大きい種なので、種まきも簡単です。
春の室内で、水を吸わせた種を培養土に埋め込めば黄緑色の芽がにゅっと出て来ます。
百円ちょっとの種の袋一つで、苗で買ったら三千円以上分のナスタチウムが作れます。

性質を把握したら簡単に育てられて、見て華やかで、食べられて、
安上がりで冬まで楽しめるナスタチウムはなかなかおすすめです。



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