「瓶詰のディルの花」
 
梅雨時の灰色の空の下、ディルの花が咲きました。
黄色の小花が集まって、雨の中で傘を開いた様です。
同じセリ科のフェンネルにそっくりですが、
多年草のフェンネルが黄緑色の豪華なレース状の葉を
貴婦人のガウンのように膨らませているのに較べ、
一年草のディルは青緑のまばらな葉を付けて
ほっそりと佇んでいます。
 
ディルなんて知らない、と思った方、
ちょっときゅうりのピクルスを思い出して下さい。
お酢ときゅうりと塩の味に、ほらもうひとつ、
普通のお漬け物とは違う何かがあるでしょう。
あれがディルの香りです。
 
生のディルの葉はポテトサラダや
クリームチーズと相性が良くて、
保存の効くシード(種)はティーやクッキーに、
特に欧州では赤ちゃんを落ち着かせる効果があるとして
愛用されているそうです。
 
さて、花です。
このまま実らせて実が付いたら切り取り、紙袋をかけて
逆さに吊るして乾燥させたら種が収穫できるのですが、
案外陽当たりが充分でなかったり虫に食べられちゃったり、
フェンネルと交雑して実らなかったり、
充実した種を100パーセント取るのは難しい。
じゃあ、種は買ってくればいいや。
という訳で折角ですから咲くそばから
どんどん使っちゃいましょう、花。
 
葉と同じようにサラダやチーズに入れるのもいいですが、
おすすめは種の代わりにピクルスを漬ける事。
ちょうど季節がきゅうりの旬ですし、なんといっても、
ガラス瓶の中に花が入っているのが見えて楽しい。
 


*きゅうりのピクルス(浅漬けタイプ)*
 
きゅうり
ディルの花 1本
ディルの葉 2枚
(花も葉も茎を長く付けて)
にんにく  1かけ
 
<漬け汁>
 水  2〜3カップ
 酢  1/3カップ
 塩  大匙2
 赤唐辛子 1本
 
・きゅうりは食べやすい大きさに切り揃えて、
 にんにく、ディルといっしょに器に入れます。
・漬け汁を軽く煮立て、熱いままきゅうりの器に注ぎます。
・落とし蓋などで押さえて汁にきゅうりが浸かるようにします。
 少しするときゅうりの水分が出て、汁が増えます。
・冷めたら保存瓶に移して冷蔵庫へ。
 
野菜はセロリやカリフラワー、にんじんなどでも美味。
お酢はまろやかな米酢や香りの良いワインビネガーなどお好みで。
浅漬けなので翌日から一週間くらいの間で食べ切って下さい。
        


*保存用の本格ピクルス*
 
・野菜は塩水に漬けて一晩おき、水気を拭きます。
・お酢2カップに水1カップを煮立たせます。
・野菜とディル(シード)、ローリエやクローブを入れて、
熱い付け汁を注ぎ、さめたら密封保存します。
2〜3ヶ月後から食べごろです。
お酢は酸味の強いワインビネガーが適しています。
 
 
アメリカでお料理の持ち寄りパーティーを開いた時、
北欧の人が「これ、酸っぱいから気をつけて」
とお酒のおつまみに作ってきたのがお酢でしめたお魚でした。
酸味に弱いアメリカ人がちびちびとつつくそばで、
「コハダみたい」と喜んでぱくぱくつまんでいたのは私です。
あれが北欧名物ニシンの酢漬けだったのでしょうか。
 
うちのあたりでは生ニシンは手に入らないので、
北欧に暖かい海の鰺や鯖がいるかどうかは知りませんが、
脂ののった青魚を酢じめにするとき、
ときどきディル風味にしてみます。
馴染みのお魚がちょっとやみつきになる味に。
ディルの生葉や花がなければ、シードを使います。
 

 
*北欧風魚の酢漬け*
 
・三枚におろした青魚に粗塩をたっぷり付けて
1時間以上おきます。(魚に応じて調整)
・お酢で塩を洗い流し、腹骨を掻きとった魚を
お酢に漬けます。しめ鯖や鰺寿司の要領ですね。
お酢は一度煮立ててから冷ましておき、
・短冊に切ったにんじん、たまねぎ、カラーピーマン
 レモン、にんにく、ローリエ、ディル、粒こしょうを
重ねて一晩漬けます。
 
中骨を抜き、皮を剥いで薄く切り、オードブル、おつまみに。
 


 
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