*- ねこ物語 -*


 

「お嬢様の命名」の巻
─報告者:ましろさん─

正月に実家に帰省すると、アメリカンショートヘア・のグレーの
仔猫がいました。小さい。かわいい。しかし。鳴かない。
無口なやつだな。
きゅうに捕まえようとすると「キキッ!」と猿のように叫んで、
すっ飛ぶ。ソファに駆け上る。ジーパンの足にも駆け上る。
壁にも駆け上る。(滑って落ちるけど)
妹が仔猫を呼んでます。「さるー、さるー!」
・・・おいおい。なんでサルなの?
「だって動きがさあ、どうみても猿」
いくらなんでも猫の名前にサルはないだろう。
しかもアメリカンショートヘアだぞ。買ったら高いんだぞ。
(もらったんだけどね)
サルー、ってスペイン語で「乾杯」だよね。まあそれでもいいんだが
やっぱり猿はまずいだろう。外聞というものがある。
なにしろ、うちではハスキー犬に「ハスキー」という名をつけたという
実績があるのだ。
どう聞いても「猿」にしか聞こえない名前はよくない。
「うちのサルがね。」と友達に話をしたら
「あそこでは猿を飼ってるんですって」
などとウワサになりかねない。
「ウッキー!こっちおいで」また妹が仔猫を呼んでいるようだ。
ウッキーも猿系だな。あんまりだ。
このままではこの仔猫が自分を猿と思い込んで育ってしまうかも。
まずい。なんとかしなければ。よーし。
「正月の間に、名前考えるから。まかせてくれる?」
と、命名宣言をしたものの・・・
数日後、つけた名前が「キキ」なのは、
「キキッ、って猿みたいに鳴くから」
しょせんわたしもこの家族の一員なのである。
しばらくたつと、キキの態度は日に日にでかくなり、
「キキ」から「キキ様」と呼ばれるようになるまで、
2ヵ月かからなかったのだった。

(おわり)
 
 


 
 


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