*-ねこ物語-*


ジャッキー・チェン・キャット


報告:ヤマネコパトロール隊員   
魔女3人が歳末の繁華街で遭遇した
スーパーなキャットのお話です。

その夕刻、我らは映画を見るべく街に集合し、
腹ごしらえに横丁へと入ったのでした。
ふと上空から響いてくる不穏な威嚇の声。

見上げると、アーケードの屋根と
お店の2階にあるテントの上が交差するあたりで、
気の強いのが2匹、いがみあっておりました。
こちらから見えるのは淡いクリーム色の、
年の頃番茶も出花の気の強いお嬢さん猫。
もう一方はさらに上の方にいるようで、
おそらくお嬢さんは形勢不利であるはず。
しかも、喧嘩はだんだんエスカレートして、魔女3人にも
そのきな臭さが嗅ぎ取れるほどになり、
道ゆく人々も足を止めるにいたりました。

そのとき。

「ああっ!」
思わず見物人から声が。
お嬢さんが、今にもつかまっていたバーから
滑り落ちそうに
なっているではありませんか。

「がんばれ、がんばるのよ!」
その願いも届かず、
「あれっ、あれれっ、あーれー」
とばかりに、2階のテントを腹でこすりながら…
どこかに取り付こうともがきながら…
ついに、10メートルはあろうかという高みから…

《 べしゃっ! 》

いやあな音がしました。

お嬢さん、着地に失敗してしまった?
地面で身体を打つ音に思わず目をそむけてしまいます。
こんなところで猫の墜落死を目撃するなんて、神様。
通説に反します、神様。

しかし。
お嬢さんはクリーム色の毛皮をぶるぶるっとやって
やおら立ちあがると、少しバツが悪そうに
あわてて私たちの横をすり抜け、
ネオンの街に消えてゆきました。

よかった。
その後食べた牡蠣に一人は当たったけれど、
映画はちょっと禁じ手だったけど、
でも無事でよかった。
と思うことにしましょう。
きっと今日も元気に喧嘩していることでしょう。
きっとね。

昔、ジャッキー・チェンの「プロジェクト・A」で
彼がやった命がけのスタントを思い出しました。
3階から、テントを破り抜けて着地するシーン。
あれがもし猫だったら5階くらいの高さでしょうか。
でもジャッキーでさえ、
無事では済まなかったと聞いています。

えらいぞ、ジャッキー・チェン・キャット。

19991126   


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